再撮影なしで新しい広告映像を — AIによる「動画の部分書き換え」が変える素材制作の公式
広告素材のバリエーションごとに再撮影していた時代は終わりを迎えています。AI動画編集の新たな軸である「動画の部分書き換え(インコンテキスト編集)」とともに、季節・モデル・背景を変更して素材を量産したCREAGEN LABの実際の作業事例をご紹介します。
シーズンキャンペーンの切り替えからA/Bテスト用のバリエーションまで、今や広告動画は再撮影なしで、AI動画編集によって変更できるようになりました。すでに撮影した映像から色・背景・衣装だけを変えて新しい素材を作る「インコンテキスト編集」が、AI動画技術の新たな軸として浮上しています。CREAGEN LABが実際の制作現場でこの手法をどのように活用しているのかをまとめました。
🎥 素材を一つ変えるためには「再撮影」が必要でした。
動画素材は常に「もう一つ」必要になります。シーズンキャンペーンでは季節が変わるたびに新しいバージョンが、パフォーマンス広告ではA/Bテストのたびにバリエーション素材が、グローバルキャンペーンでは市場ごとにローカライズされたバージョンが求められるからです。
問題はコストです。「背景だけ変えてみようか?」の一言が、スタジオの再手配、モデルの再キャスティング、撮影スケジュールの再調整へと繋がります。そのため、多くのチームがバリエーション展開を諦め、撮影済みの動画一つを季節が変わってもそのまま使い回しているのです。

この前提が、今変わろうとしています。
🔄️ AI動画編集の重心移動 — 「生成」から「修正」へ
ここ数年のAI動画に関する話題は、そのほとんどが「生成」でした。テキストを入力すれば動画ができる、というものです。 ところが最近、海外の制作コミュニティで注目されている軸は方向性が異なります。新しく作るのではなく、「すでに撮影した動画を修正する」ことなのです。
🔎インコンテキスト編集とは何か
その代表例が、RunwayのAleph 2.0などの「インコンテキスト編集」技術です。 仕組みはシンプルです。動画の中から基準となる1シーンを選び、希望する部分だけを修正すれば(例えば建物の色を変えれば)、AIがその変更を動画全体に続けて適用します。照明やカメラの動き、その他の要素はそのまま維持されます。

Photoshopで写真1枚を修正するように、動画全体を一度に修正するようなものです。全体を再生成するのではなく、必要な部分だけを変更するため、ブランドとしてコントロールすべき要素(製品、モデル、トーンなど)を守りながらバリエーション展開できる点が、広告制作において特に重要な意味を持ちます。
✨ CREAGEN LABはすでにこう使っています
この手法は、海外のトレンド紹介だけで終わる話ではありません。CREAGEN LABは実際のプロジェクトにおいて、「再撮影なしの修正」を商用レベルで実装しています。
季節を変える — 雨を雪に、服をダウンジャケットに
iloom(イルーム)の既存広告では、雨が降るシーンを雪の降る冬の風景に変えました。雪が靴に付いたり、地面に積もったりするディテールまで活かしています。 LINA生命の広告では、室内空間にクリスマスらしい雰囲気を加え、主人公の服を自然にダウンジャケットに着せ替えました。広告主から「どうやってダウンジャケットをこんなに自然に着せたんですか?」という質問が返ってきたほどです。 詳細なプロセスは、既存の広告をウィンターシーズンに拡張した事例でご覧いただけます😊

モデルと背景を変える — グローバル映像の国内ローカライズ
さらに踏み込んだ事例もあります。グローバル自動車ブランドO社の海外広告動画において、海外のモデルを現地のモデルに、海外の道路背景を現地の橋や都心部に置き換えるローカライズを行いました。 再撮影は一切なし、たった数日で完了です。グローバル本社が制作した映像を国内市場向けに撮り直す代わりに、既存の映像を国内バージョンへと「変換」するアプローチです。

✅ 広告素材制作の公式はどう変わるのか
まとめると、変更できる範囲は継続的に広がっています。
2. 衣装・小道具 — 主人公の服をシーズンに合わせて
3. 変更モデル — 海外のモデルを現地のモデルに
4. 背景・環境 — 海外の街並みを現地の都市に、ナンバープレートまで国内仕様に
リードタイム・コスト構造の変化
この変化の核心はコスト構造です。従来は「素材1個=撮影1回」だったのが、今後は「撮影1回=素材複数個」になります。 一度しっかり撮影しておいた映像が、シーズン別・市場別・ターゲット別のバリエーションを生み出すための「オリジナル資産」になるのです。A/Bテスト用のバリエーション素材を作るための限界費用が「再撮影」から「編集」レベルまで下がれば、テストできるパターン数自体が劇的に変わります。
しかし.. まだ限界もあります
インコンテキスト編集は、カメラが安定しており、被写体が明確なシーンでうまく機能します。揺れが激しいシーンや複雑なシーンでは結果にムラが出る可能性があり、製品のように正確性が命となる要素については、依然として人間の目による検証と後編集が必要です。 「ボタン一つで終わり」ではなく、どのシーンに適用するかを判断し、結果を選び抜く制作側の力量が、依然として品質を左右します。CREAGEN LABも、まさにこの点に注力しています。
🔛 再撮影のない素材運用、今すぐ始めるには
「撮影データを『完成品』ではなく『オリジナル資産』として捉えること」
うまく撮れた映像一つを、季節・モデル・背景を差し替えながら複数の市場やシーズンで活躍させることが、再撮影のない素材運用のポイントです。
手元にある撮影データの中で「これ、背景だけ変えればまた使えるのに」と思う動画があれば、それがスタート地点です。
CREAGEN LABは、シーズンの切り替えからグローバル動画の国内ローカライズまで、実写映像ベースの素材リメイクをキャンペーン単位で手掛けています。マムズタッチJAPANのキャンペーンのような100%AI制作も行いますが、すでにある資産を活かすプロジェクトも同じくらい多く手掛けています。
皆様のアーカイブには、まだ活躍できる映像がいくつ眠っていますか?
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